12.前妻の子、認知した子がいる場合の相続。トラブルを防ぐ遺言書の書き方

社会福祉の現場で25年間、多くのご家族の「リアルな人生の節目」に寄り添ってきた清水智子行政書士事務所が、相続において最もデリケートで事前の準備が不可欠な「前妻(前夫)の子」「認知した子」がいる場合の相続について、トラブルを未然に防ぐための正しい遺言書の書き方と心構えをわかりやすく解説します。

「今の家族は仲が良いから、自分が亡くなった後も話し合ってうまくやってくれるだろう」

「昔の家族とはもう何十年も連絡を取っていないし、今の生活には関係ないはず」

そう思われている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。実は、相続が始まった瞬間に最も激しいトラブル(泥沼の争い)に発展しやすいのが、この「異なる家庭にお子様がいらっしゃるケース」です。

福祉の現場で約50件の成年後見人を務め、さらに家庭裁判所の家事調停委員として数々の家族のもつれを交通整理してきたからこそ言える、「今の家族も、過去の家族も、誰も傷つけないための相続対策の極意」をお伝えします。

なぜトラブルになる?知っておくべき「法律上の権利」

まず、法律における相続人のルールを正確に知ることが大切です。ここを曖昧にしていると、後に大きな落とし穴に直面することになります。

ルール1:前妻の子も今の妻の子も「完全に同じ相続権」を持つ

離婚した前妻(前夫)には相続権はありません。しかし、前妻との間に生まれた子どもは、あなたが亡くなったときの「第一順位の法定相続人」になります。

「今の妻との間に生まれた子ども」と「前妻の子ども」の間で、もらえる財産の割合(法定相続分)に一切の差はありません。完全に平等の権利を持ちます。

ルール2:生前に「認知した子ども」にも、全く同じ権利がある

婚姻関係にない相手との間に生まれ、あなたが法律上「認知」したお子様についても、婚姻関係のある妻との間の子どもと完全に同じ割合の相続権があります。

ルール3:遺産分割協議は「全員の合意」が絶対条件

遺言書がない場合、残された財産をどう分けるかは相続人全員で話し合う(遺産分割協議)必要があります。

つまり、今の家族と、何十年も音信不通だった前妻の子や認知した子が、全員で一堂に会する(または書面でやり取りする)などして、実印と印鑑証明書を揃えなければ、銀行口座の解約も実家の名義変更も1ミリも進まないという現実があります。

互いに存在を知らなかったり、複雑な感情を抱いていたりする関係性の中で、この話し合いをスムーズに進めるのは至難の業です。だからこそ、あなたが生前に「遺言書」を残しておくことが、今の家族を守るための絶対の義務になります。

異なる家庭の子がいる場合の「トラブルを防ぐ遺言書の書き方」3つの鉄則

家族間の泥沼の争いを防ぎ、あなたの財産をスムーズに引き継ぐための遺言書のポイントは以下の3つです。

鉄則1:必ず「公正証書遺言」を作成し、遺言執行者を指定する

手書きの遺言書(自筆証書遺言)だと、亡くなった後に家庭裁判所での「検認」という手続きが必要になり、結局すべての相続人に連絡がいってしまいます。

法律のプロである公証人が作成する「公正証書遺言」を選び、さらに遺言書の中で、銀行手続きや名義変更をあなたに代わって一手に引き受ける「遺言執行者(いごんしっこうしゃ)」を当事務所のような専門家に指定しておきましょう。

これにより、今の家族が前妻の子と直接交渉する精神的負担をゼロにし、専門家が淡々と、かつ確実に手続きを完了させることができます。

2. 「遺留分(最低限の取り分)」に配慮した財産配分にする

いくら「今の家族にすべてを遺したい」からといって、「今の妻と子に全財産を相続させる」とだけ書くのは危険です。

子どもである以上、前妻の子や認知した子にも、法律で最低限保障された財産の取り分(遺留分:いりゅうぶん)があります。これを完全に無視した遺言書を作ると、亡くなった後に前妻の子から今の家族へ「私の遺留分を現金で払いなさい!」と裁判を起こされる(遺留分侵害額請求)原因になります。

最初から、前妻の子の遺留分に相当する「現金」を準備して残すか、生命保険(※生命保険金は原則として遺留分の対象外になります)を活用して、今の家族に現金を残す工夫をしておきましょう。

3. 「付言事項(メッセージ)」で、あなたの本音と感謝を伝える

遺言書の最後に書き添えることができる、家族への手紙(付言事項:ふげんじこう)を最大限に活用します。なぜこのような財産の分け方にしたのか、その理由とあなたの『想い』を言葉で残します。

「今の妻と子どもたちは、私が病気になってから今日まで、片時も離れずに介護をがんばって支えてくれました。だからこそ、今の家族が安心して暮らせるように実家と大半の預貯金を遺します。前妻の子である〇〇さんには、私のこれまでの不義理を詫びるとともに、陰ながらこれからの人生の幸せを願っています。私の遺留分に配慮した預貯金を残しますので、どうかみんなでもめずに、それぞれの人生を歩んでいってください」

このような、あなたの心からのメッセージが書かれているだけで、前妻のお子様も感情的に納得し、権利以上の主張をせず、円満に相続を受け入れてくれるケースが本当に多いのです。

徳島での複雑な相続対策は、清水智子行政書士事務所へ

前妻の子や認知した子がいる相続の問題は、単なる法律の書類作成ではありません。そこには、過去の歴史、今の家族の生活、そしてそれぞれの言葉にできない複雑な感情やプライドが深く絡み合っています。

「自分の家族構成だと、将来どんなトラブルが起きるか不安」

「今の妻に迷惑をかけないために、今できる最善の準備を知りたい」

そう思ったら、ぜひ一度ご相談ください。私は行政書士として、将来絶対に名義変更が一発で通り、かつ揉めるリスクを最小限に抑えた確実な公正証書遺言の原案を作成します。

さらに、私は25年間、福祉の現場で数々の家族のドロドロした身の上話や不安を受け止め、乗り越えてきた社会福祉士・ケアマネジャーです。家庭裁判所の家事調停委員として、感情がもつれた話し合いの交通整理をしてきた実績もあります。

事務的に書類を仕上げる「敷居の高い先生」ではなく、あなたとご家族のこれからの安心(QOL)を第一に考える「徳島のおばちゃん」として、温かくトコトン寄り添ってサポートいたします。どうぞ安心してお気軽にお頼りくださいね。

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