19.財産目録の作り方。相続時の手続きをスムーズにするための事前準備

社会福祉の現場で25年間、多くの高齢者とそのご家族の「リアルな暮らしと人生の節目」に寄り添ってきた清水智子行政書士事務所が、相続対策の第一歩であり、残された家族の負担を劇的に減らすことができる「財産目録(ざいさんもくろく)」の正しい作り方と事前準備のコツをわかりやすく解説します。

「自分の財産なんて、わざわざリストにするほど多くないわ」

「通帳が手元にあるから、家族もすぐにわかるはず」

そう思われている方にこそ、ぜひ知っていただきたい現実があります。実は、いざ相続が始まったときに家族が一番苦労するのは、「どこに、何の財産が、いくらあるのか」を調べるステップ(財産調査)なのです。

福祉の現場で約50件の成年後見人を務め、通帳や重要書類の捜索・整理に奔走してきたからこそ言える、「法律的に完璧なだけでなく、家族が迷わず一発で手続きできる財産目録の作成マニュアル」をお伝えします。

そもそも「財産目録」ってなに?

財産目録とは、一言でいうと「自分の持っているすべての資産(プラスもマイナスも)を、誰が見ても一目でわかるように一覧表にまとめたもの」です。

遺言書を作成するときや、生前整理(資産整理)を進めるとき、あるいは亡くなった後に家族が遺産分割協議を行うときなど、あらゆる相続手続きにおいて「設計図」の役割を果たす最重要の書類となります。

財産目録に入れるべき「2つの財産」と書き方のポイント

目録を作る際は、頭の中にあるものを思い出すだけでなく、実際の書類(通帳や登記簿など)を確認しながら、以下の項目を「具体的に」記載していくのが最大のコツです。

1. プラスの財産(資産)

  • 預貯金: 「銀行名」だけでなく、「支店名」「口座の種類(普通・定期など)」「口座番号」までしっかり記載します。残高は常に変動するため、作成した時点の「おおよその金額」で構いません。
  • 不動産(土地・建物): 住所(住居表示)ではなく、権利証や固定資産税の通知書に書かれている「地番(ちばん)」や「家屋番号(かおくばんごう)」を正確に書き写します。
  • 有価証券(株式・投資信託など): どこの「証券会社」に、何の「銘柄」が、何株あるかを記載します。最近増えているネット証券は家族が見落としやすいため、特に念入りな記載が必要です。
  • 生命保険: 「保険会社名」「保険証券番号」「契約者・被保険者・受取人の氏名」をまとめます。
  • その他: 自動車(登録番号)、貴金属、会員権など。

2. マイナスの財産(負債)

相続されるのは、お金や土地だけではありません。以下のような「マイナスの財産」も、すべて引き継がれる対象になります。これらを生前に隠さず書いておくことが、将来家族が「相続放棄」などの正しい判断を下すための命綱になります。

  • 借入金・ローン: 住宅ローン、自動車ローン、カードローン(金融機関名、残高、連帯保証人の有無)。
  • 未払金: 亡くなった時点での未払いの医療費、介護施設の利用料、未納の税金(固定資産税や住民税など)、クレジットカードの引き落とし予定額など。

財産目録をスムーズに作成する4つのステップ

いざ作ろうとすると、何から手をつけたらいいか分からなくなるものです。以下の順番(ロードマップ)に沿って進めると、無理なく完成させることができます。

1.手元にある「重要書類」を1箇所に集める:ステップ1。

家の中に散らばっている、通帳、不動産の権利証(登記識別情報通知)、固定資産税の納税通知書、保険証券、年金手帳、証券会社からの年間取引報告書などを、まずは1つのファイルや箱に丸ごと集めることから始めます。

2.「隠れた財産」がないか調査する:ステップ2。

「昔作ったきり使っていない地方銀行の口座」や「私道・山林などの未登記の土地」などがないか確認します。地元の役所で「名寄帳(なよせちょう)」を取得すると、自分名義の不動産が漏れなくリストアップされるため、徳島の古い土地などを調べるのに非常に有効です。

3.一覧表(目録)に書き出す:ステップ3。

ノートやパソコン(Excelなど)を使って、資産の種類ごとに項目を埋めていきます。

💡 手書き遺言(自筆証書遺言)を作る方へ:

法改正により、遺言書自体は手書きしなければなりませんが、添付する「財産目録」に限っては、パソコンで印刷したものや、通帳のコピー・登記簿謄本の原本をそのままホチキス留めして代用することが認められるようになり、作成の負担が劇的に軽くなりました(※各ページに署名・押印が必要です)。

4.保管場所を信頼できる家族に伝える(または共有する):ステップ4。

せっかく完璧な財産目録を作っても、誰にも見つけてもらえなければ意味がありません。エンディングノートに挟んでおくか、信頼できる子どもや、当事務所のような専門家に「ここにあるからね」と伝えておきましょう。

徳島での資産整理・財産目録の作成は、当事務所へ

財産目録を作る作業は、単に数字や書類を並べるだけの実務ではありません。これまでの人生であなたが一生懸命に築いてこられた大切な資産の歴史を振り返り、「これからの人生をどう安心して生きていくか(QOL:生活の質)」を設計するための、とても前向きなプロセスです。

「通帳や書類が多すぎて、自分一人では整理がつかない」

「親の財産を一緒に整理したいけれど、どこから手をつければいい?」

そう思ったら、どうぞ一人で抱え込まずに一度ご相談ください。私は行政書士として、役所や金融機関での面倒な書類集め(名寄帳の取得や残高証明の請求など)を丸ごと代行し、名義変更の手続きが一発で通る正確で綺麗な財産目録をあなたと一緒に作成します。

それだけでなく、私は25年間、福祉の現場でお一人おひとりの生活と向き合ってきた社会福祉士・ケアマネジャーでもあります。かつて、自身でも終活や片付けに関する Kindle本『無理に捨てない!思い出と暮らす整理術』を執筆し、シニア世代の心に寄り添った資産や遺品の整理のあり方を提案してきました。家庭裁判所の家事調停委員としての経験も活かし、家族それぞれの感情のズレを優しく解きほぐしながら、円満な生前準備をサポートします。

「敷居の高い先生」ではなく、「何でも話せる徳島のおばちゃん」として、あなたのご家族の未来の安心のためにトコトン寄り添って伴走いたします。どうぞ安心してお気軽にお頼りくださいね。

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