社会福祉の現場で25年間、多くの高齢者とそのご家族の「リアルな暮らしと人生の節目」に寄り添ってきた清水智子行政書士事務所が、成年後見制度を検討する際に誰もが最も気になる疑問「成年後見人は誰が選ばれるのか?親族がなれる確率と専門職後見人の役割」について、わかりやすく解説します。
「自分が申し立てをするのだから、当然自分が親の後見人になってお世話できるでしょう?」
「見知らぬ専門家が選ばれたら、一体どんなことをされるのか不安……」
福祉の現場で約50件の成年後見人を務め、ご家族のリアルな戸惑いや裁判所の手続きの現実を最前線で見つめてきたからこそ語れる、「表面的な法律知識だけでは分からない、成年後見人選任の本当のリアル」をお伝えします。
衝撃のデータ:親族が成年後見人に選ばれる確率は「約2割」
まず、多くの方が最初に驚かれる、最高裁判所が発表している決定的なデータ(現実)をお伝えします。
現在、日本において成年後見制度(法定後見)の申し立てを行った際、娘や息子などの「親族」が後見人に選ばれる確率は、全体のわずか「約20%(5人に1人)」程度しかありません。
つまり、残りの約80%(全体の約8割)は、弁護士・司法書士・社会福祉士・行政書士といった「見知らぬ第三者の専門職(専門職後見人)」が裁判所によって選ばれているのが、いまの日本の成年後見制度の紛れもない実態です。
なぜ家族ではなく「専門職」が選ばれるのか?
家庭裁判所が後見人を決める際、「申立人(家族)の希望」はあくまで参考意見としてしか扱いません。裁判所が最優先するのは「誰を後見人にすれば、本人の財産が一番安全に守られるか」という一点です。
そのため、以下のような条件がひとつでも当てはまる場合、家族がどれだけ熱望しても、ほぼ確実に専門職後見人が選ばれることになります。
- 親の財産(預貯金額や不動産)が多い場合(目安として流動資産が1,000万円以上など)
- 親族間で少しでも意見の対立やズレがある場合(きょうだい間で仲が悪い、遺産分割でもめそうな気配があるなど)
- 不動産の売却や訴訟など、複雑な法律手続きが予定されている場合
- 後見人候補者(あなた)が忙しく、収支報告などの事務処理が難しいと判断された場合
専門職後見人は何をしてくれる?その役割とメリット
「見知らぬ他人が親のお金を握るなんて不気味だ」と感じるかもしれませんが、専門職後見人が選ばれることには、法律的・実務的に大きなメリットもあります。
役割1:厳格でクリーンな「財産管理」
専門職後見人は、本人の通帳や不動産の権利書を預かり、一円単位まで正確に管理します。年に1回、家庭裁判所へ「収支報告書」を提出する義務があるため、親族間の「お兄ちゃんが親のお金を勝手に使い込んでいるのではないか?」といった不信感やドロドロした揉め事を完全にシャットアウトできます。
役割2:福祉・医療の「契約手続き(身上保護)」
介護保険の契約、老人ホームへの入所手続き、病院への入院手続きや費用の支払いなど、親御様がこれからの生活を送る上で不可欠なあらゆる契約実務(身上保護:しんじょうほご)を、法的な正式代理人として滞りなく進めます。
役割3:親族にかかる「重い事務負担」をゼロにする
後見人の実務は、裁判所への定期報告、日々の領収書の保管、細かな家計簿づくりのような事務作業が延々と続きます。これを仕事や家事で忙しいご家族がこなすのは想像以上に大変です。この面倒な役所仕事や書類作成の負担を、専門職がすべて身代わりに引き受けてくれるのは大きなメリットです。
申し立て前に知っておくべき「専門職後見人のリスク」
非常に頼もしい反面、一度専門職後見人が選ばれると、以下の重いリスクを「一生」背負うことになります。
- 毎月の維持費(報酬)が亡くなるまで続く: 専門職への報酬(基本報酬で月2万〜6万円程度)が、親御様が亡くなるその日まで、何年間もずっと親の財産から自動的に引かれ続けます。
- 途中でやめる(解任する)ことは絶対に不可:「実家の売却手続きが終わったから、もう後見人をやめて身内で管理します」ということは法律上100%認められません。
- 家族のためのお金は一切使えなくなる: 後見人の使命は「本人の財産維持」のみです。そのため、「親の口座から孫への入学祝いを出す」「家族で使う車の買い替え費用を出す」といった支出は、親族全員が同意していても原則として一切拒否されます。
親族が主導権を握るための「2つの解決策」
「見知らぬ他人にガチガチに管理されたくない!」「身内で温かく守りたい」という場合、進むべき道は以下の2つしかありません。
1.今すぐ「任意後見(にんいこうけん)契約」を結ぶ:解決策1:【親がまだ元気な場合】。
親御様の頭がしっかりしているうちであれば、将来の後見人を「自分で自由に指名」できる任意後見契約を公証役場で結ぶことができます。これをしておけば、将来認知症になっても裁判所に主導権を握られず、指名したお子様が100%後見人に就任できます。
2.申し立て時に「複数後見(ふくすうこうけん)」を希望する:解決策2:【すでに認知症が進んでいる場合】。
すでに本人の判断能力がなく法定後見を申し立てる場合は、申立書の中で「複数後見」を希望するアプローチがあります。
例えば、「面倒なお金の管理や裁判所への書類提出は清水事務所(専門職)に任せ、日々の暮らしの見守りや優しい声かけ(身上保護)は長女(親族)が担当する」というように役割を分担する形です。これにより、専門職の維持費(報酬)を低く抑えつつ、家族が主体となった温かい介護チームを作ることができます。
徳島での後見手続き・認知症の生活設計は、当事務所へ
成年後見制度の手続きは、単なる裁判所向けの書類作成ではありません。その本質は、「認知症になった親御様が、これからの人生をどこで、誰と、どんな福祉サービスを受けて、最期まで自分らしく安心して豊かな暮らし(QOL)を送っていけるか」という生活設計そのものです。
一般の弁護士や司法書士は、法律の手続き(書類を右から左へ通すこと)は得意ですが、「介護保険の現場で実際にヘルパーさんやデイサービスがどう動いているか」「認知症の症状の進行に伴って、どんな施設を選べば本人が一番幸せか」という福祉・医療のリアルな現場実態を知りません。
私は行政書士として確実な法務実務を行うと同時に、25年間、福祉・医療の最前線で社会福祉士やケアマネジャーとして多くの認知症当事者・ご家族と伴走し、自身でも約50件の後見人を務めてきた人間です。介護事業所(指定居宅介護支援事業所ソーシャルサポート清水)も併設しているため、事務的に手続きを進める「士業の先生」としてではなく、医療・介護の現場のリアルな運営実態に基づいた、最もご家族が困らない現実的なアドバイスと書類作成、そして「複数後見」などのチーム設計ができます。
「親の後見人に自分がなれるか不安」「裁判所の難しい手続きをサポートしてほしい」
そう思ったら、どうぞ一人で抱え込まずに一度ご相談ください。「堅苦しい先生」ではなく、「何でも話せる徳島のおばちゃん」として、あなたのご家族の未来の安心のためにトコトン寄り添って一緒に汗をかきます。どうぞ安心してお気軽にお頼りくださいね。
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