4.遺産分割協議で揉めないために!知っておくべき「遺留分」の基本

社会福祉の現場で25年間、多くのご家族の「リアルな人生の節目」に寄り添ってきた清水智子行政書士事務所が、相続の話し合い(遺産分割協議)で最もトラブルになりやすい「遺留分(いりゅうぶん)」の基本について、わかりやすく解説します。

「うちは普通の家庭だから、法律のトラブルなんて関係ないわ」

「遺言書に『長男にすべて譲る』と書いたから安心」

実は、そう思われているご家庭こそ、いざ相続が始まったときに「そんなはずじゃなかった!」と大揉めしてしまうケースが後を絶ちません。福祉の現場で約50件の成年後見人を務め、家族のリアルな修羅場を交通整理してきたからこそ言える、「もめない相続」のための最重要知識をお伝えします。

そもそも「遺留分(いりゅうぶん)」ってなに?

遺留分を一言でいうと、「残されたお互いの生活を守るために、法律で最低限保障されている、遺産をもらえる権利(取り分)」のことです。

たとえ亡くなった方(被相続人)が、遺言書で「全財産を長男に譲る」とか「お世話になった特定の友人にすべて寄付する」と書いていたとしても、配偶者や子どもといった身近な相続人は、この「遺留分」の権利を主張して、最低限の分け前を取り戻すことができます。

誰に、どれくらい認められているの?

遺留分が認められているのは、基本的には「配偶者(妻・夫)」「子ども(孫)」「親(祖父母)」だけです。

⚠️ 超重要ポイント:兄弟姉妹には「遺留分」がありません!

亡くなった方に子どもや親がおらず、兄弟姉妹が相続人になる場合、遺言書で「すべての財産を妻に遺す」と書いておけば、兄弟姉妹から文句(遺留分の請求)を言われる筋合いは一切なくなります。ここは多くの方が勘違いしやすいポイントです。

もらえる割合は、原則として「本来法律でもらえるはずだった分(法定相続分)の半分」と覚えておくと分かりやすいです。

なぜ遺留分が原因で揉めるのか?よくある2つの罠

罠1:財産のほとんどが「今住んでいる実家(不動産)」のケース

徳島でも非常によくあるトラブルです。財産を調べてみたら、価値があるのは「今住んでいる実家(土地・建物)」だけで、預貯金はほんの少しだったという場合。

遺言書に「長男に実家を継がせる」と書いてあっても、他に分けるお金がないため、長女や次男の遺留分を侵害してしまいます。

後からきょうだい間で「私の遺留分にあたる現金を払いなさい!」と請求(遺留分侵害額請求)されても、長男に手持ちの現金がなければ、最悪の場合、実家を売却して現金を作らざるを得なくなるという悲しい事態に発展します。

罠2:「生前贈与」や「生前の介護の苦労」が考慮されていないケース

「長男は生前に家を建てる資金を出してもらっていた」「私は10年間もお父さんの介護をがんばった」といった、家族それぞれの過去の歴史や感情のズレです。

遺言書にそのあたりの配慮がないと、相続が始まった瞬間に「私の遺留分の権利をきっちり使わせてもらうわ!」と、それまで隠れていた不満が爆発してしまいます。

遺産分割協議で揉めないための「3つの対策」

家族の絆を壊さないために、生前からできる具体的な対策は以下の3つです。

対策1:最初から「遺留分を侵害しない」遺言書を作る

一番の王道です。実家を特定の誰かに引き継がせたい場合は、他の相続人にも「遺留分」を下回らない程度の預貯金を残すか、生命保険(※生命保険金は原則として遺留分の対象外になります)を活用して、他のきょうだいに渡す現金を準備しておくといった工夫が有効です。

対策2:遺言書に「付言事項(メッセージ)」を添えて、理由を伝える

法律的な書類の枠だけでなく、遺言書の最後に「なぜこの分け方にしたのか」というあなたの『想い』を言葉で残します。

「長男は同居して介護の面倒を見てくれたから実家を譲ります。長女にはその分、現金をこれだけ残しました。みんながもめずに仲良く暮らしていくことが、お父さんの最後の願いです」

この一言があるだけで、残された家族は「それなら納得しよう」と、権利を主張するのを踏みとどまってくれることが本当に多いのです。

対策3:家族みんなが元気なうちに「家族会議」を開く

親御さんが元気なうちに、これからの暮らし(QOL:生活の質)の希望や、実家をどうしたいかをオープンに話し合っておくことです。親の口から直接「こうしてほしい」と言われると、子どもたちも感情的に納得しやすくなります。

徳島での円満な相続対策は、清水智子行政書士事務所へ

相続や遺留分の問題は、単なる数字や法律の計算ではありません。そこには、これまでそのご家族が歩んできた歴史や、それぞれの複雑な感情が深く絡み合っています。

「うちの財産の分け方で、後からもめないか心配」

「実家しか財産がないけれど、どう準備すればいい?」

そう思ったら、ぜひ一度ご相談ください。私は行政書士であると同時に、25年間、福祉の現場で数々の家族のドロドロした身の上話や不安を受け止めてきた社会福祉士・ケアマネジャーです。また、家庭裁判所の家事調停委員(離婚や親権、親族間のトラブルなど)として、感情がもつれた話し合いの交通整理をしてきた実績もあります。

事務的に書類を仕上げる「敷居の高い先生」ではなく、あなたのご家族に一番合った「現実的な解決策」を一緒に考える「徳島のおばちゃん」として、温かく伴走いたします。

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  • 医療・介護の視点を交えた、これからの安心設計(QOL担保)も得意としています。

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