43.Q:成年後見人を一度つけたら、途中でやめることはできますか?

社会福祉の現場で25年間、多くのシニア世代とそのご家族の「リアルな暮らしと人生の節目」に寄り添ってきた清水智子行政書士事務所が、成年後見制度を検討される方が絶対に知っておくべき最も重い真実「成年後見人は一度つけたら、途中でやめることはできるのか?」について、法律の厳しいルールと現場の現実をわかりやすく徹底解説します。

「実家の不動産を売却するためだけに、一時的に後見人を頼みたい」

「専門家への毎月の報酬が負担になってきたから、一度やめて身内の管理に戻したい……」

こうしたご相談は非常に多くいただきますが、安易に申し立てをしてしまった後に「こんなはずじゃなかった」と激しく後悔されるご家族が後を絶たないのが、この制度の恐ろしい落とし穴です。

福祉の現場で約50件の成年後見人を務め、裁判所の手続きと家族の現実を最前線で見つめてきたからこそ言える、「申し立てのボタンを押す前に必ず知っておくべき、後見制度の本当の覚悟」をお伝えします。

結論:一度始めたら、途中でやめることは「原則100%不可能」です

まず、法律上の非常に重い結論からお伝えします。

成年後見制度(法定後見)は、一度スタートさせたら、途中でやめること(制度の利用を終了すること)は原則として絶対にできません。

「不動産の売却手続きが終わったから」「銀行口座の凍結が解除されたから」「家族が介護に慣れてきたから」といった、家族や本人の都合による終了や、後見人の解任は法律上100%認められないのが、いまの日本の成年後見制度の紛れもない現実です。

制度が終了する「唯一のタイミング」とは?

後見制度が正式に終了するのは、原則として「本人が亡くなったとき」のみです。

成年後見制度は、特定の目的(手続き)を果たすためのスポット的な仕組みではなく、判断能力が不十分になった方の「これからの人生と財産を、最期まで永続的に守り抜くための生涯にわたる安全網」として設計されているためです。

なぜ途中でやめられない?知っておくべき「3つの現実とリスク」

「やめたい」と思ってもやめられないことで、ご家族には何年間、何十年間にもわたって以下の重い現実がのしかかり続けます。

① 【途中でやめられない】専門職への報酬が「一生」引かれ続ける

家庭裁判所によって弁護士や司法書士、行政書士などの専門家が後見人に選ばれた場合、毎月の報酬(基本報酬で月2万〜6万円程度)が、本人が亡くなるその日まで、親の財産から永久に引かれ続けることになります。

仮に月3万円の報酬が10年続けば、それだけで360万円という巨額のランニングコストが発生します。途中でやめられない以上、この出費を止める術はありません。

② 「後見人が気に入らないから変えて」も一切通らない

選ばれた専門職後見人の態度が冷たかったり、家族と意見が合わなかったりして「この人を辞めさせて、他の人に変えてほしい」と裁判所に訴えても、正当な理由(後見人による不正や明らかな怠慢など)がない限り、後見人を交代させることはできません。「相性が悪い」という程度では、最期までその人と付き合い続ける必要があります。

③ 家族のためのお金は一円たりとも使えなくなる

後見人がついている間、親の財産は裁判所の厳しい監督のもとでガッチリとロックされます。後見人の使命は「本人の財産を守ること」だけです。

そのため、これまで当たり前にやってきた「親の口座から孫への入学祝いを出す」「家族で使う車の買い替え費用を出す」「家族全員が同意して実家をリフォームする」といった支出は、原則として一切拒否されるようになります。

後悔を未然に防ぐための「後見リスク回避」ロードマップ

「一度つけたらやめられない」というリスクを回避し、家族が主体となった温かいサポート体制を作るためには、親御様の現在の状態に合わせた冷静な戦略が必要です。

1.【親がまだ元気な場合】今すぐ「任意後見契約」で先回りする:ステップ1。

親御様の頭がしっかりしている健康なうちであれば、将来の後見人を「自分で自由に指名」できる任意後見(にんいこうけん)契約を公証役場で結ぶことができます。これをしておけば、将来認知症になっても裁判所に主導権を握られず、指名したお子様が100%後見人に就任でき、見知らぬ他人に財産をロックされるリスクをゼロにできます。

2.【すでに認知症の場合】申し立て前に「本当に今必要か」を仕分ける:ステップ2。

すでに物忘れが進んでいる場合は、本当に「今すぐ法定後見を申し立てるべきか」を専門家を交えて慎重に仕分けします。「口座から引き出せる範囲で介護費が足りている」「不動産を急いで売る必要がない」のであれば、無理に今すぐ申し立てをせず、様子を見るという選択肢もあります。

3.【申し立てを行う場合】「複数後見」を裁判所へ強く希望する:ステップ3。

どうしても申し立てが必要な場合は、申立書の中で「複数後見」を希望するアプローチをとります。

「面倒な裁判所への書類提出や金銭管理は清水事務所(専門職)に任せ、日々の温かい見守りや施設の選択は長女(親族)が担当する」というように役割を分担する形です。これにより、専門職への報酬を最低限に抑えつつ、家族の意思を反映しやすい体制を整えます。

4.月1回の「モニタリング」と裁判所報告でクリーンに生涯を伴走:ステップ4。

後見実務がスタートした後は、ケアマネジャーとしての月1回の自宅訪問(モニタリング)の機会を最大限に活かし、本人の体調や暮らしの質(QOL)を高める福祉サービスを最適に稼働させます。専門職と親族がチームとなり、最期まで揉めないクリーンな体制で人生の着地を支えます。

福祉と法律をワンストップで繋ぐ、清水智子行政書士事務所ならではの強み

成年後見制度は、一度足を踏み入れると引き返せないからこそ、「単なる書類手続き」として事務的に進めては絶対にダメなのです。その本質は、「認知症になった親御様が、これからの人生をどこで、誰と、どんな福祉サービスを受けて、最期まで自分らしく安心して豊かな暮らし(QOL)を送っていけるか」という取り返しのつかない生活設計そのものです。

一般の弁護士や司法書士、行政書士は、法律の手続き(書類を右から左へ通すこと)は得意ですが、「一度後見を始めたら、日々の介護現場で家族にどのような細かな制約や負担がリアルにのしかかるか」という福祉・医療の生々しい現場実態を知りません。

私は特定行政書士として確実な法務実務を行うと同時に、25年間、医療・介護・障害福祉の最前線で社会福祉士やケアマネジャー(主任介護支援専門員)として走り続け、自身でも約50件の成年後見人を務めてきた人間です。介護事業所(指定居宅介護支援事業所ソーシャルサポート清水)も併設しているため、事務的に手続きを勧めるだけの「士業の先生」としてではなく、「これを始めたら、あなたのご家族の今後の生活がどう変わるか」というリアルな未来を見据えた、最も後悔しない現実的なアドバイスができます。

「銀行から後見人をつけろと言われたけれど、本当にそれしか方法はない?」

「親の財産とこれからの生活を守るために、一番リスクの少ない進め方を教えてほしい」

そう思ったら、どうぞ取り返しのつかない申し立てのボタンを押してしまう前に、まずは私にお話をお聞かせください。

「敷居の高い事務所」ではなく、「何でも話せる街の保健室の先生」、そして「頼れる徳島のおばちゃん」として、あなたとご家族の未来の笑顔と確実な安心のために、トコトン寄り添って一緒に汗をかきます。どうぞ安心してお気軽にお頼りくださいね。

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