社会福祉の現場で25年間、多くの高齢者とそのご家族の「リアルな暮らしと人生の節目」に寄り添ってきた清水智子行政書士事務所が、「実家を相続する人がいない」とお悩みの方へ、将来実家が社会問題化している「空き家」にならないための選択肢と、元気な今だからこそできる具体的な準備のコツをわかりやすく解説します。
「子どもたちはみんな県外で家を建ててしまい、徳島の実家に戻る予定がない……」
「誰も引き継ぐ人がいない実家は、自分が亡くなった後どうなってしまうのだろう?」
シニア世代の集まりや介護相談の現場で、いま最も多く耳にするのがこの「実家のゆくえ」に関するお悩みです。福祉の現場で約50件の成年後見人を務め、誰も住まなくなった実家の片付けや処分に奔走してきたからこそ言える、「家族も自分も後悔しないための実家じまいのロードマップ」をお伝えします。
放置は絶対にNG!実家をそのままにする「3つの大きなリスク」
「自分が亡くなった後に、子どもたちが適当に考えて処分すればいいわ」
そう考えて対策を後回しにしていると、残されたお子様たちに想像以上の重い負担を背負わせることになってしまいます。
リスク1:【2024年から義務化】相続登記を放置するとペナルティ
法律の改正により、2024年4月から「相続登記(不動産の名義変更)の義務化」が始まっています。引き継ぐ人がいないからと名義変更を放置していると、10万円以下の過料(ペナルティ)が科される可能性があるだけでなく、世代を重ねるごとに全国に相続人が散らばり、将来いざ売却や解体をしようとした時に「見知らぬ親族全員の同意(実印)」が必要になるという泥沼の事態に陥ります。
リスク2:認知症発症で「売ることも壊すこともできない」塩漬け物件に
もし親御さん(あなた)の認知症が進行し、判断能力が不十分だとみなされると、たとえ実の子どもであっても実家を売却したり解体したりする契約を結ぶことは原則できなくなります。
空き家のまま放置され、誰も住んでいないのに固定資産税や維持管理費(草刈りや換気などの手間)だけがお子様たちの肩に重くのしかかり続けることになります。
リスク3:「特定空家」に指定されると固定資産税が最大6倍に
管理がされず、倒壊の危険や衛生上の問題がある空き家は、自治体から「特定空家」に指定される恐れがあります。指定されてしまうと、それまで適用されていた土地の税金優遇措置が受けられなくなり、固定資産税が最大で6倍にまで跳ね上がってしまいます。
実家を相続する人がいない場合の「4つの選択肢」
誰も住む予定がない実家であっても、元気なうちに対策を打っておけば、様々な解決方法を選ぶことができます。
① 生前に「売却」して老後資金(QOL)に充てる
親御さんがお元気なうちに実家を売却し、駅近くのマンションやバリアフリーのシニア向け住宅、介護施設などへ住み替える方法です。
実家の管理から解放されるだけでなく、売却して得た現金をこれからの安心した生活(QOL:生活の質)のための医療費や介護費用として使うことができるため、福祉の視点からも非常におすすめの選択肢です。
② 遺言書を書き、「遺贈(寄付)」や「清算型遺言」を活用する
「子どもには実家ではなく、現金だけを残したい」「身寄りがないので財産を社会に役立てたい」という場合に有効なのが遺言書です。
- 遺贈(いぞう): 遺言によって、実家を自治体や福祉団体などに寄付する手法。
- 清算型遺言(せいさんがたいごん): 遺言書の中で「自分が亡くなったら実家を売却して現金に換え、その現金から葬儀費用や遺品整理代を支払い、残ったお金を子どもたちで分けなさい」と指定しておく手法。お子様たちが実家を引き継ぐことなく、スムーズに現金化して分け合えるため、トラブルを未然に防げます。
③ 国が引き取ってくれる「相続土地国庫帰属制度」の利用
2023年から始まった新しい制度で、相続によって取得した土地を、一定の条件(建物が解体されていること、境界が明確であることなど)を満たせば、国に引き取ってもらう(返す)ことができる仕組みです。徳島にある使い道のない山林や原野、買い手がつかない地方の土地を手放したい場合の選択肢の一つになります。
④ 「空き家バンク」への登録や賃貸での活用
まだ建物が新しく活用できる状態であれば、地域の空き家バンクに登録して移住者に売却・賃貸したり、リフォームして福祉施設や地域のコミュニティスペースとして活用してもらう道もあります。
誰も困らせないために!今からできる「2つの準備」
具体的な選択肢を決める前段階として、今すぐ始められる大切な準備が2つあります。
- 家族会議を開き、親の意思と子どもの本音を一致させる: 準備1.
「親が大切にしてきた家だから」と子どもが遠慮し、「子どもに迷惑をかけたくないが、言い出せない」と親が抱え込んでいるケースが本当に多いです。「これから病気や介護が必要になったらどうしたいか」という将来の暮らしの相談とセットで、「実家をどうしていくか」をオープンに話し合う場を設けましょう。 - 「実家の片付け(生前整理)」を少しずつ始める: 準備2.
いざ実家を売却・処分しようとした時に、一番高いハードルになるのが「家の中に溢れる大量の荷物」です。亡くなった後に子どもたちが遺品整理をするのは、精神的にも体力的にも限界があります。まずは元気なうちに、使っていない部屋の家具や古い衣類などを、ご家族で思い出話をしながら少しずつ片付けていく(生前整理)ことから始めましょう。
徳島での実家じまい・将来の暮らしのご相談は、当事務所へ
実家をどうするかという問題は、単なる不動産の手続きではなく、そこにあったご家族の思い出や歴史、そして「これからどう生きていくか」という人生設計そのものです。
「子どもに実家のことで負担をかけたくない」
「売れるかどうかもわからない土地があり、途方に暮れている」
そう思ったら、ぜひ一度ご相談ください。私は行政書士として、清算型遺言の作成や、相続土地国庫帰属制度の申請、提携する専門家(司法書士や不動産業者)と連携したワンストップのサポート体制を整えています。
さらに、25年間福祉の現場を歩んできた社会福祉士・ケアマネジャーでもあります。かつて、自身でも Kindle本『無理に捨てない!思い出と暮らす整理術』を執筆し、シニア世代の心に寄り添った片付けや終活のあり方を提案してきました。家庭裁判所の家事調停委員としての経験も活かし、家族それぞれの感情のもつれを優しく解きほぐしながら、全員が納得できる「現実的な解決策」を一緒に導き出します。
「敷居の高い先生」ではなく、「何でも話せる徳島のおばちゃん」として、あなたのご家族の未来の安心のためにトコトン伴走いたします。どうぞ安心してお気軽にお頼りくださいね。
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