9.預貯金口座の凍結に慌てないために!相続発生時の引き出しルール

社会福祉の現場で25年間、多くのご家族の「リアルな暮らしと人生の節目」に寄り添ってきた清水智子行政書士事務所が、身内が亡くなったときに誰もが直面する「預貯金口座の凍結」と、慌てずにお金を引き出すための正しいルールについて、わかりやすく解説します。

「親が亡くなったら、銀行口座ってすぐに使えなくなるの?」

「葬儀費用や当面の生活費が引き出せなくなったらどうしよう……」

大切な方を亡くされた悲しみの中で、こうしたお金の不安が重なると、心身ともに本当に大きな負担がかかってしまいます。福祉の現場で約50件の成年後見人を務め、ご家族のリアルな緊急事態を一緒に切り抜けてきたからこそ言える、「口座凍結に慌てないための知恵と具体的な手続き」をお伝えします。

なぜ口座は「凍結」されるのか?知っておくべき基本

銀行などの金融機関は、口座の名義人が亡くなったことを知った瞬間に、その口座を「凍結(払い戻しや引き落としを完全にストップ)」します。

銀行が意地悪をしているわけではありません。名義人が亡くなった瞬間に、そのお金は「相続人全員の共有財産」になります。そのため、特定の誰かが勝手にお金を引き出して使い込んでしまうようなトラブル(親族間の揉め事)を防ぎ、財産を安全に守るために、法律に基づいて口座をロックするのです。

⚠️ よくある誤解:役所に死亡届を出しても自動的には凍結されません

役所に死亡届を出したからといって、その情報がすぐに銀行へ伝わるわけではありません。多くの場合、家族が「名義人が亡くなりました」と銀行の窓口に伝えたときや、新聞の悔やみ欄などを銀行員が確認したタイミングで凍結されます。

凍結されても大丈夫!お金を引き出す「2つのルート」

以前は、一度口座が凍結されると「相続人全員の話し合い(遺産分割協議)」が終わり、全員の実印が揃うまで1円も引き出すことができませんでした。しかし、法改正により、現在は緊急時にお金を引き出せる便利な救済制度が用意されています。

ルート1:【手続きが早い】銀行の窓口で直接請求する(仮払い制度)

遺産分割の話し合いが終わる前であっても、他の相続人の同意なしに、各相続人が単独で銀行の窓口から一定額のお金を引き出せる仕組みです。

  • 引き出せる金額のルール以下の計算式で計算された金額(ただし、1つの金融機関につき最大150万円まで)が上限となります。$$\text{亡くなった時点の預貯金残高} \times \frac{1}{3} \times \text{あなたの法定相続分}$$

💡 具体例:残高600万円の銀行口座があり、相続人が長男・長女の2人の場合

長男の法定相続分は 1/2 になります。

600{万円} x 1/3 x 1/2 = 100{万円}

この場合、長男は他の相続人(長女)のハンコがなくても、窓口で100万円まで引き出すことができます。

※もし計算上の金額が200万円になったとしても、1つの銀行から引き出せるのは「150万円まで」がルールです。

  • 必要な書類亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本、引き出す人の戸籍謄本、実印と印鑑証明書などが必要になります。

ルート2:【上限なし】家庭裁判所に申し立てる

葬儀費用だけでなく、大口の医療費の未払いや、残された家族の長期にわたる生活費など、150万円以上のまとまったお金がどうしても必要な場合は、家庭裁判所に申し立てをして許可をもらうことで、上限を超えた金額を引き出すことが可能です。ただし、裁判所を通すため、お金を手にするまでに数週間〜数ヶ月の時間がかかります。

後でもめないために!絶対にやってはいけない注意点

⚠️ 凍結前に「黙ってキャッシュカードで全額引き出す」のは要注意

「凍結される前に、暗証番号を使ってATMでお金を全部抜いてしまおう」――これは非常によくあるケースですが、大きなトラブルの元になります。

後から他の親族に「お父さんのお金を勝手に使い込んだのではないか?」と疑われ、遺産分割協議が泥沼化する原因になります。また、引き出したお金を葬儀費用などに使った場合は必ず「領収書」を保管し、何にいくら使ったかを他の相続人に透明に説明できるようにしておかなければなりません。

さらに、多額の引き出しを行うと、場合によっては「マイナスの財産(借金)も含めてすべてを相続します」と認めたこと(単純承認)になり、後から借金が見つかったときに「相続放棄」ができなくなるリスクもあります。お金が必要なときは、できる限り上記の「仮払い制度」を正しく利用することをおすすめします。

徳島での相続・お金の緊急手続きは、当事務所へ

身内が亡くなった直後は、お通夜や葬儀の段取り、参列者への対応などで、心も体も限界を迎えているものです。その中で、銀行の複雑なルールや書類集めに向き合うのは本当に骨が折れます。

「銀行から分厚い書類の束を渡されて、どこに何を書けばいいかわからない」

「他のきょうだいと揉めずに、円満に口座の手続きを進めたい」

そう思ったら、どうぞ一人で抱え込まずに一度ご相談ください。私は行政書士として、銀行手続きに不可欠な「複雑な戸籍の収集」や「遺産分割協議書の作成」を丸ごと代行し、あなたがスムーズにお金を受け取れるよう窓口のサポートをいたします。

それだけでなく、私は25年間、福祉の現場を歩んできた社会福祉士・ケアマネジャーでもあります。家庭裁判所の家事調停委員としての経験も活かし、家族それぞれの感情のもつれを優しく解きほぐしながら、生活の安心を第一に考えたアドバイスをさせていただきます。

「堅苦しい先生」ではなく、「何でも相談できる徳島のおばちゃん」として、あなたのご家族が安心して次の生活へ進めるよう、トコトン寄り添って一緒に汗をかきます。どうぞ安心してお気軽にお頼りくださいね。

  • 初回相談無料(もやもやした不安をそのままお聞かせください)
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